システムイノベーターのソレキア

RFIDタグとは

RFIDの歴史

RFID(Radio Frequency Identification)は、無線技術を応用したもので、1940年代第二次世界大戦で戦闘機の敵・味方を識別するために使われたのが最初だと言われています。現在のようなRFIDの仕組みが確立されたのは1960年代に入ってからのことです。1970年代にはアメリカ連邦政府でのプロジェクトにRFIDが使用されました。

日本でも1980年代には製造ライン等にRFIDが使用され始め、1990年代前半には応用範囲を広げ各社が事業化や応用技術研究を進めましたが、コスト面で見合わなかったためその多くが撤退しました。しかし、1990年代後半よりISO(国際標準化機構)においてRFID国際標準の策定の動きが始まり、ICタグの開発に大きな影響を与えました。

パッシブ型RFIDタグ(無線ICタグ)

身近に利用されているRFIDの例を挙げますと、商品盗難防止タグ、ICテレカ、Suica、Edyに代表されるFeliCa、高速道路の自動料金収受システム(ETC)などがありRFIDタグの形状もラベル型、カード型、箱型、筒型など様々です。

また名称もRFIDタグ、無線タグ、IDタグ、RFタグなどと呼ばれています。ここでは、「RFIDを用いたシステムの総称」としてRFID、「RFIDタグ、無線タグ、ICタグ、RFタグ等の総称」としてRFIDタグ、「無線基地局、リーダー/レシーバー等の総称」としてリーダー/ライターと呼ぶこととします。

<用語説明1>RFID
 「誘導電磁界又は電波によって非接触で半導体メモリのデータを読み出し、書込みのために近距離通信を行うものの総称」(JIS-日本工業規格)


RFIDタグの通信方式とその特徴
リーダー/ライターとRFIDタグとのデータ転送には2種類の方式があります。
電磁誘導方式

特長
  • 悪条件下でも使用可能
  • 非伝導物質でも電波の浸透がよい
  • 通信範囲が広い
  • RFIDタグに電池は不要

欠点
  • 生活ノイズに影響を受けやすい
  • 通信距離が短い
使用周波数
135kHz以下および13.56MHz

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電波方式

特長
  • 指向性がある
  • 通信距離が長い

欠点
  • 無線LAN、Bluetoothとの電波干渉
  • 金属による反射
  • 水に電波が吸収されやすい
  • RFIDタグに電池が必要
使用周波数
2.45GHz以下および952〜954MHz

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RFIDには、複数のRFIDタグを一括して読み取ることができるようにアンチコリジョン(衝突防止)機能が備わっているため、複数のRFIDタグが通信可能領域に入ってきても正確にデータの読み書きが可能です。

(一部この機能を持たないRFIDも存在します)

<用語説明2>電磁誘導

電磁誘導とは、電流・磁界・力が互いに影響し合ってコイルの中の磁界が変化すると、コイルに電流が流れる現象のことです。磁束を変化させると電流を流すことができ、電流を流すと磁界が発生し磁石に力を及ぼす現象で、発電機やモータの原理になっています。この磁界に別のコイルを近づけるとその磁力の変化の影響を受けて、コイルの巻き数に応じた電気(起電力)が発生します。



RFIDタグの種類とその特徴
RFIDタグには大きく2つに分類できます。
アクティブ型RFIDタグ
(RFIDタグから直接情報発信できる)

特長
 内蔵されている電池を使ってRFIDタグ自ら電波を発信できます。自ら電波を発信できるため、ある程度リーダーとRFIDタグが離れた状態での通信が可能です。
欠点
電池が切れたときには、通信できません。またRFIDタグの形状が比較的大きく、価格が高いことも挙げられます。
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パッシブ型RFIDタグ
(RFIDタグから直接情報発信できない)

特長
RFIDタグの価格が安く、電池が内蔵されていないため、小型です。(シールやカードなど)
欠点
自ら電波を発信できないため、リーダーとRFIDタグの距離が近くなければなりません。
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電波の性質

電波の一般的な性質として、空間を伝わる電波は、金属にぶつかると反射したり、物体に対して回り込む(回折)性質を持っています。しかし、周波数が高くなるほど空気中の水分(霧や雨など)での減衰や、直進性が高くなるため建物などの障害物でさえぎられて、電波の回り込めない「影」になる部分ができやすくなります。

こうした周波数の高い通信機器を利用している場合は、この影の部分では当然、電波を送受信できません。逆に周波数が低いと、障害物があった場合でも回り込む性質が強いため、障害物があっても届きやすくなります。

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帯域別の特徴

(参考資料にそれぞれの規格の詳細仕様を掲載しております) 参考資料ページへ
長波帯域 125〜135kHz(ISO/IEC18000-2)

この周波数帯域は1980年代から工場などで利用されており、もっとも歴史のあるRFIDです。パッシブ型RFIDタグを前提としているため、通信距離は数十cm程度となります。この帯域の利点としては、電波の指向性が広いため障害物に回り込みやすく金属や水などの影響を比較的受けにくい点があげられます。逆に欠点としては,生活ノイズ(蛍光管のインバータ・ノイズなど)の影響を受けやすい点や,通信速度が遅い点があげられます。

こうした特徴などから,金属や水分を多く含むもの(場所)に利用されています。

中波帯域 13.56MHz(ISO/IEC18000-3)

この周波数帯域はSCM(Supply Chain Management)での利用を想定しています。モード1とモード2の2種類があり、両モードに互換性はありません。モード2は、RFIDタグとの通信速度が423.75kbpsと高速なのが特長です。両モード共にパッシブ型RFIDタグを前提としているため、通信距離は数十cm程度です。

この周辺の周波数帯域の主な用途は下記の通りです。

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マイクロ波帯域 2.45GHz(ISO/IEC18000-4)

モード1はパッシブ型RFIDタグを、モード2はアクティブ型RFIDタグを前提としています。通信距離はモード1は数十cmですが、モード2は数mと長いのが特長です。また、この帯域のアンテナはRFIDタグおよびリーダー・ライターの形状を小型化しやすい点が挙げられます。

しかし、水がある環境では著しく通信距離や認識率が低下することや直進性が高いため、障害物の影響を受けやすいという欠点もあります。

この帯域は無線LAN、BlueTooth、電子レンジなどで利用されるため、利用環境によっては干渉が生じる場合がありますが、周波数ホッピング(用語説明3を参照)により電波干渉は回避しやすくなっています。日本では、2400MHz〜2483.5MHzの帯域が割り当てられています。

この周辺の周波数帯域の主な用途は下記の通りです。

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UHF帯域 860〜960MHz(ISO/IEC18000-6)

2005年4月の電波法改正により使用できるようになった周波数帯域です。

日本では950〜956MHzまでの帯域が割り当てられましたが、使用可能な帯域は952〜954MHzとなっています。

この周辺の周波数帯域の主な用途は下記の通りです。

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他にISO18000-7(433MHz帯)もありますが、日本ではアマチュア無線に帯域が確保されておりRFID用途では使用することはできません。

しかし、電波法により定められている微弱無線局(用語説明4を参照)として適合を受けたRFIDであれは上記の周波数帯域以外の周波数でも使用することが可能です。
この適合を受けた機器は使用する際、無線局免許を必要としません。
電波法では、
322MHz以下の場合 電界強度が500μV/m
322MHz〜10GHzまでの場合 電界強度が35μV/m
であれば微弱無線局に適合した機器であると記されています。

※お使いになる環境により通信距離および速度は異なります。
<用語説明3>周波数ホッピング

スペクトラム拡散の方式の一つで、極めて短かい時間(0.1秒程度が多い)ごとに信号を送信する周波数を変更するもの。次々に送信周波数を変更していくため、特定周波数でノイズが発生した場合も他の周波数で通信したデータによって訂正が可能で、ノイズの少ない周波数を選択して送信することもできる。耐障害性が高く、通信の秘匿性も優れており、多対多の大規模通信に適している。ただし、DS-SSと比較すると伝送速度の面では劣る。近距離無線通信規格のBluetoothや、無線LANのIEEE802.11がFH-SSを使用している(IEEE 802.11bはDS-SSを使用)。携帯電話で使われているCDMA方式には、FH-SSとDS-SSと両者を混合したハイブリッド方式がある。
(IT用語辞典 e-Wordより引用)


<用語説明4>微弱無線局

無線設備から3メートル離れた距離の電界強度が、使用する電波の周波数において規定された値以下である無線局